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清志郎にできなかったこと

 投稿者:中野真吾  投稿日:2019年11月 6日(水)19時18分39秒
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  先週末、岡山市のライブハウス「デスペラード」で「忌野清志郎トリビュート祭~岡山ロックンロールショー」というイベントがありました。岡山のミュージシャンが集まってRCや清志郎のコピーをするというものなのですが、中心になってやっているのが、要は、ゆうたろうなのです。
ゆうたろうは中学生のころからバンドをやっていたんですが、中学時代の同級生5人で組んで高校3年間のめり込んだのが「文化屋雑貨店」というRCのコピーバンドでした。清志郎の死を契機に十年前にそのバンドを復活させ、このイベントを立ち上げたということで、ゆうたろうは、アコギ一本持っての弾き語り、タイマーズのコピーバンドのボーカル/ギター、文化屋雑貨店のギターと大車輪でした。
「日本で一番の完コピバンドを目指してやっていた」と言っていたとおり文化屋雑貨店のクオリティは高く、中学の仲間同士というのがちょっと信じられない感じ。ゆうたろうのギターも(エレキもアコギも)無茶苦茶にうまく、もともとはギタリストと聞いて「なるほど~」です。
全編コピーのイベントなのですが、1曲だけゆうたろうが「コピーバンド」というオリジナル曲を弾き語りでうたい、これが印象的でした。列を作ってライブの開場を待っている少年たちが、チケットを何度も眺めながら話をしている姿に、かつての自分を重ね合わせるうたで、明るく弾みながら「おれはバンドで、いまもバンドで」と歌いあげ、ラストでは「忌野清志郎、そうだあなたのせいで、あなたのせいだ、チャボのせいだ、リンコさんのせいだ、G2のせいだ、新井田耕造のせいだ、梅津和時のせいだ、片山広明のせいだ」と叫びます。創造だとか個性だとか何も考えず、ただひたすらあこがれの対象になりきって行こうとする、その無償の情熱みたいなのがとても透明なものに思えました。
音楽の中ではできないことなど何もなかったような清志郎ですが、ほんとうはできないことがいくつもあった。彼はRCの新譜の発売を待ちくたびれることもできなかったし、ライブの1曲目に息を詰めることもできなかった。清志郎が死んでしまった後に清志郎をコピーすることもできなかったし、清志郎に一生恋い焦がれることもできなかった。そんなことを思ったライブでした。
 
 
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